一本の木

今日、最初に新入社員として入社してから、退職するまでの間、
仕事でお世話になっていた東京宝塚劇場の前を、久しぶりに通り過ぎた。

私が所属していた部署の、一年に1回の大切なイベント業務。

初めのうちは先輩社員の指示についていき、
1年、2年、3年と経つうちに、何となく業務の流れを覚えて、
4年目、5年目、6年目くらいの時には、事務方のメインをやらせていただいていた。

そして7年目、それから退職するまでは、メイン業務をほかの人に引き取ってもらい、
イベント当日のお手伝いとして携わるようになった。

毎年毎年、同じイベントを行っているのに、
毎年毎年、別のハプニングが起ったりする。

毎年毎年、やり方を考えては、
毎年毎年、方法を変えてみて、

それでもやっぱり、この年はこのやり方で完璧だった!という事は、
なかった。

だから、毎年毎年、この業務が楽しくて、好きだった。

同じものは二度はこない。
同じものは二度はつくれない。

目に見えないものがはたらいているのか、自分たちが故意にそうしているのかは測れないけど、
どちらであっても、『この時』、は一度だけ。

だから、この一度だけのものを大切にして、
ひたむきに懸命に生きている姿が、美しいと思う。

 

イベントの準備が始まれば、東西本社のチームの仲間で打ち合わせをして、
部署の別のチームの人と打ち合わせをして、
別の部署の人と打ち合わせをして、
イベントが終わればみんな揃って打ち上げをして、
そして、終わったー!また来年だねー!と言って、しばらく離れた。

あの時間はかけがえのない、大切な一度だけの時間。