『とりかえばや物語』

とても深い優しさに満ちたお話だなと思いました。

これが、私たちのしるべとなって生きてきた人たちの
気持ちや心。

時は平安時代に遡るのに、
その心は今、現代に必要とされている深い深い優しさのように感じます。

 

物語の最後には、
この物語の中核ではなかった人が発するこの言葉。
とても印象に残ります。

『ただこれには深いわけがあるのだとお思いなさいませ。
真実をあきらかになさったところで、絶え果てた野中の清水をくみ出すすべもありません。
かえってお苦しみも増すでしょうし、世の中にわるいうわさが流れてもよくありませんわ。』
と言ってほほえむのが魅力的であった。

 

中核でない人からの言葉だからこそ、
この物語が、みなが優しくほほえむ、
ということをご理解いただける気がします。

前を向いて生きて行こう。

今在るもので生きて行こうということなのだと思う。

優しく、ともに。